日本のデジタルノマドビザ導入の可能性は?



みなさんはデジタルノマドビザをご存知ですか?

デジタルノマドビザ(digital nomad visas)とは

PCでどこでも仕事ができる(リモートワークできる)ノマドワーカーをデジタルノマドと言います。
そんなデジタルノマド向けに6ヶ月~数年間といった長期間、リモートワークをしながら滞在できるビザのことを「デジタルノマドビザ」と言います。


新型コロナウイルスの流行を皮切りに世界各国の観光誘客や、観光産業のあり方そのものが変わりました。
外貨獲得のために、外国人を誘客するための新しい方法として2020年ごろから注目されたのがデジタルノマドビザです。


今回はそんなデジタルノマドビザ制度を日本が導入できるかどうかを考えて行きます。


この記事の執筆者
やまさん 

観光系の大手企業に4年間勤め、ワーケーションなどの自由な働き方を提案する事業を行う。
夫婦2人で仕事を辞めて海外移住
趣味のバックパッカーで30カ国以上渡航した経験から、住む場所にとらわれずに働ける移住先を探す。
2022年4月カンボジア在住。
趣味はキャンプで、自然の中で過ごすこと。

仕事を辞めて夫婦で海外試住をした理由についての記事はこちらから!



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なぜデジタルノマドビザを発給するのか


なぜ世界各国は近年になってデジタルノマドビザを発給するようになったのか?

新型コロナウイルスの影響で観光産業の占める割合の大きい国は大打撃を負っています。
観光以外でも現地法人の撤退や、変化の激しさについていけない国の産業は淘汰され目まぐるしく経済状況が変わっています。


そんな中で注目される働き方が「フリーランス」「ノマドワーク」と言われるような働き方。

もちろん以前からそう言った働き方はあって、
私が社会人2年目、バングラデシュに行ったとき、ゲストハウスでヨーロッパ系の白人がPCを使ってなにやら働いていました。
最初は「旅行中も仕事しなくちゃいけないなんて大変だな」
などと思っていましたが、話を聞くとどうやらプログラマー。
世界各国を渡り歩きながらPCで仕事をしていると言います。
当時ノマドワーカーなどという言葉はあまり聞いたことがありませんでしたが、どうやら昔からそう行った働き方をする方は一部いたようです。

こう言ったノマドワーカーが来てくれると国としてはありがたい。
理由は観光ビザで2週間滞在してくれるよりも長期で、生活するように滞在するのでお金を落としてくれるからです。

また、デジタルノマドビザには条件があり、国によって様々ですが「安定した収入がある」ことを証明する必要があります。
そう言った経済的余裕のあるリモートワーカーを呼び込むことで国内消費の促進ひいては永住の道を選んでくれるかもしれません。
いわゆる海外試住期間というわけです。


デジタルノマドビザを導入してる国

現在デジタルノマドビザを発給している国は以下の通りです。

デジタルノマドビザを発給している国

  • アラブ首長国連邦(UAE)
  • ジョージア
  • ドイツ
  • スペイン
  • チェコ共和国
  • ポルトガル
  • クロアチア
  • ノルウェー
  • アイスランド
  • エストニア
  • メキシコ
  • コスタリカ共和国
  • アンティグア・バーブーダ
  • バルバドス
  • バミューダ
  • ケイマン諸島
  • アンギラ(イギリス領)
  • モーリシャス島

※2022年5月時点情報


デジタルノマドビザを発行する国はここ1年で一気に増えました。
その背景には先の新型コロナウイルスの流行に加えて、ワーカーの変化も挙げられます。


ワーカーの変化


観光客が激減とともに、リモートワークという働き方が世間に定着し、場所にとらわれない働き方が認知されるようになりました。

フリーランス、またはリモートワーカーとして活動している人も急増。
今までは呼び名もなかったこのような方々を「海外ノマドワーカー」「デジタルノマド」(英語では:Digital Nomads)などと呼ばれるようになり、世間でも注目されるようになりました。


エストニアの事例



デジタルノマドビザとはどういうものかわかりやすく説明するために、エストニアを事例として挙げさせてもらいます。

エストニアは、じつは“欧州のシリコンバレー”とも称される、世界屈指のIT先進国であり、スタートアップ企業や実業家がかなりたくさんいて、2020年7月から来訪する外国人向けに「デジタルノマドビザ」を導入してます。

エストニアの従来の就労ビザは、条件が厳しく(どこの国でもそうだが)エストニア国内の企業への就職、または転勤などが決まったうえで、会社を通して書類などを申請して発給されるものでした。
しかし、デジタルノマドビザの導入(新しい制度に改変された)されたこと、
「国外の雇用主との雇用関係や事業活動をおこなっていて、それがテレワークで遂行できる」と分かれば
最大1年間にエストニアに滞在できるようになりました。

手続きも「e-Residency」と呼ばれるオンラインで行うので結構簡単だと聞きました。

エストニアのデジタルノマドビザ発給条件

1. エストニア国外の企業の従業員
2. エストニア国外の企業の経営者
3. エストニア国外の企業に対してサービスを提供するフリーランス・コンサルタントのいずれかに該当する個人
月収3504ユーロ相当(約425,000円)である。遠隔からでも勤務できる職種であること。

※詳細は必ず政府公式WEBサイトをみてください。

気になるのは、月収3504ユーロ相当(約425,000円)の部分。
フリーランスの場合、この収入を確保できているのであればかなりしっかりしている方かと思う。
と同時に、エストニアの平均賃金は1404ユーロ(2020年第1四半期・Statics Estonia発表)らしいので、かなり富裕層であるとも言えますね。


エストニアでの暮らしについてはどうか?

物価は日本の7割くらいで、治安は良い、IT先進国な分キャッシュレス化がかなり進んでいるよう。
英語は通じないことが多いが国民性は優しい方が多いと聞いたことがあります。

日照時間が長い分、エストニア人はハイキングや日光浴、サウナ、ビーチなど自然と触れ合うそうです(羨ましい)。



日本の観光産業や働き方について


では話を日本国内に戻してみます。

現在の日本の観光産業や、働き方はこのエストニアの条件と比べてどうなのか?

日本の観光産業

観光立国宣言をしてから、日本のインバウンド増加率はうなぎのぼり。
東京五輪に向けてかなりの国家予算を投下して観光の振興をしていたが、コロナウイルスの影響をモロに受けストップ。

インバウンド需要が元の水準に戻るのは2025年くらいになるだろうと言われています。

それに加え、日本の国民性として、下記のようなものもある

日本の国民性による観光産業が成長しにくい理由

・自治体と、地域のプレイヤーのギャップ
・IT化が中々進まない
・他を受け入れることが難しい(外国人コワイ)
・英語教育水準の低さ


このようなことから、インバウンド需要に供給が追いついていない状況になる(なっていた)。

今後観光復活の政策で、インバウンド復活を見据えた準備がされていくかと思うが、国民全体として外国の人アレルギーを無くしていかないと特に地方では観光インバウンド誘致がなかなか進まないと思います。



日本のリモートワーク

日本では都内の大企業やベンチャー企業を中心に、コロナ禍でリモートワークが推奨されました。
そこで、「どうやら出社しなくても働けるっぽい」と皆が気がついて、
ある企業はリモートワーク推奨や本社ビル売却などを行いました。
そしてある企業は、緊急事態宣言が開けたとともに、元どおりに戻ってフル出社になりました。

リモートワークという概念が進んだ一方で、日本企業の年功序列で「えらい人がおじさん」現象に陥っている企業は全くこのチャンスをモノにできていないという現状もあるのは事実だろうと思います。

企業に限ったことではなく、このリモートワークの概念が進んだことでフリーランス、副業、ノマドワークなどの生き方をする人間が増えました。(私も現にその一人)

個人で稼ぐことを推奨されるようになって久しいが、日本全体を見てリモートワークで行える仕事は2割程度なのではないだろうかと感じてしまいます。


日本のワーケーション

少し視点を変えてワーケーションについて考えてみます。

ワーケーションとは、
「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語(かばん語)。英語圏の主要メディアは「workcation」と綴る。観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される。働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「新しい日常」の奨励の一環として位置づけられる。

wikipediaより


2021年より、新たな旅のスタイルとして観光庁がゴリ推しで推進しており、多額の予算が投下されていることから見ても日本国内でワーケーションという働き方を推進したいのであろう。

しかし、受け入れる地域側の視点から見るとまだまだ半信半疑であり、「ワーク」しながら「バケーション」なんてそんなことができるのか?
という声も上がっています。
一方で送り出す企業側からしても、「就業」なのか「休暇」なのか、本当にサボらずに仕事をするのか?といった労務管理ができないことや、法の整備が追いついていないことから会社として導入することがまだまだ難しい状況。

このように送り出す側と受け入れる側、どちらも暗中模索状態のため、爆発的に流行することはありえないが、予算があるのでとりあえずやってみようといった雰囲気であるように感じます…。
日本の勤勉な国民性にマッチしているのか少し疑問。

プレミアムフライデーのように消えてしまうのか、それとも多くの企業が導入するスタンダードになるのかはまだ判断するには早いと思います。
このワーケーションが定着すれば、日本はデジタルノマドを受け入れる環境が整っていくでしょう。



日本の地方移住


最後にもう1つ考えたいのが、地方移住。
2020年5月に内閣官房が発表した調査によると、東京圏在住者の49.8%(約半数)が「地方暮らし」に関心を持っていると。
ヤフーのような大手企業が「無制限リモートワーク」を導入、人材大手のパソナが淡路島に本社機能移転をした話も話題になりました。

このように、企業として舵を切って地方に暮らすことを推奨する流れもありますね。
リモートワークでも働ける人々が増えて、地方暮らしが主流化していけば地方は活性化してインバウンドの受け入れもすすんでいくかもしれないし、ワーケーションのような働き方がスタンダードになっていく切り口になるかもしれない。

ポイントの1つだと思います。

日本がデジタルノマドビザを導入するためには


デジタルノマドビザ導入の先進国エストニアの事例
日本の観光産業、リモートワーク、ワーケーション、地方移住について考えて見ました。

その上での結論はこうです。

私が思う日本がデジタルノマドビザ導入の結論

やらなくてはいけないが、地方がついていけない。ワーケーション定着が鍵である。



観光立国を目指し産業活性させていくならばこの制度はやっていってほしいし、優秀な人材を国内に引き入れるためにも他と少し違ったバリューを加えてやっていくべきだろうと思います。
そのお試し版というか、国内版がいま推進されているワーケーションであり、この制度が定着し環境が整えば、海外ノマドワーカーたちは仕事環境や通信環境に困らないのではないだろうか。

日本のインバウンドの新たな形としてデジタルノマドビザの導入がされる日を待ち望みます。



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